「食品の裏側」(東洋経済新報社)という食品添加物の危険をせきららに書いた本が大ベストセラーになっていると聞いた。
著者の安部司さんという方は食品添加物商社に約10年勤務され、トップセールスマンになり、「添加物の神様」と呼ばれていたそうだ。
添加物の効き目というのはすごいものらしく、暗い土色で形もドロドロのタラコが添加物の液に一晩漬けると、赤ちゃんの肌のようなプリプリのタラコに変身!!(こ、こわい〜〜)
ベージュ色のしわしわ干し大根もきれいな真黄色のたくあんに!しかもこれらはとても美味しくて感動ものだったそうだ。
彼は、食品添加物の危険な魔力にはまり、研究を重ね、食品添加物の神様へと登りつめてゆく。
ある会社の経営者から「ドロドロになった余った端肉で何かできないか」と相談され、肉団子を開発。
ターゲットを幼稚園から小学校低学年にしぼり、彼らの嗜好である「味が濃いこと」「かまなくていいこと」「ソースとケチャップ味」に合わせる。柔らかくするために、まず油をぶち込み、固まりやすくするため乳化剤を入れ、肉そのものには結着剤をい入れ、着色料、化学調味料、タンパク加水分解物、ビーフエキスを入れる。
ソースには氷酢酸を4%に薄めてカラメルで真っ黒にして増粘剤で少しとろみをつけ、野菜エキスと化学調味料を入れて「肉団子もどき」の完成。(ううう、恐ろしすぎる〜〜。こんなものを毎日幼稚園のお弁当に入れていたのか、私は〜〜〜!!)
主婦は手抜きでズボラだから、90℃のお湯に30分いれて加熱殺菌して食べられるようにし、賞味期限を長くするために真空パックにして一ヶ月持つようにしたそうな。。。。
手抜きでズボラ、、、返す言葉がありません。。。。
ここまでやっていた安部さんが何故今こんな食品添加物の裏事情を暴いているのかというと、それは安部さんのお宅で起こったミートボール事件がきっかけだったそうな。
ドロドロの余った端肉に30種類の白い粉を混ぜて自らが開発したミートボールが3歳のお嬢さんの誕生会で食卓に出てきた。
安部さんは思わず皿を取り上げて「これは食べちゃいかん!」と叫んだそうだ。
お嬢さんは「パパ、なんで食べちゃいけないの?」ときょとんとしていた。
安部さんはそのとき初めて、自分が今までは会社の利益のためだけに添加物を売ってきて、誰が食べるのかを考えていなかったことに気づいたという。
自分の子供が食べるのを見て初めて衝撃を受け、目が覚めた彼は翌日会社を辞めた。
・・・・あまりのことに私も衝撃。
「簡単、便利、安い」
こういうことをついつい追い求めがちな自分を本当に反省。
食品添加物の危険の側面をちゃんと理解して、これからはついつい出来合いのものですませるのではなく、ちゃんと自分でお米を炊いて大料理をしようと肝に銘じたのであった